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ピザを受け取った峯田が、リビングのテーブルにどーん、と積む。
「こんなに頼んだのか」
蚊鳴屋が驚いた。だるま落としが出来そうだ。
「一人一枚分くらいあるじゃないか」
それに、さらにサイドメニューの山盛りフライドポテトだ。
「食べきれなかったら冷凍しておけばいいじゃん。さ、食べよ」
テーブルにすべてのピザを並べられなかったので、サンタが別の場所から追加のテーブルを持ってきた。思い思いにビールを開け、ピザに手を伸ばす。もぐもぐするのも億劫なくらい疲労していた、が、食べ始めるとやはり腹が減っていたことを自覚する。しばらく全員、食事の手が止まらなかった。
あっという間に半分ほどが各自の胃に収まり、ようやく手を休める余裕ができた。峯田と浜麦はまだ食べ続けている。
「もぐもぐ。お腹がいっぱいになると、ちょっと考える余裕も出てくるね。……これから、どうしたらいいのかな」
峯田が食べる手を休め、やっとビールを手に取った。
「とりあえず、神様が浮葉の体を動かしてくれる限りは、栄養不足で体の方がだめになっちゃうってことはないのかな」
浮葉はこくりと頷く。
「浮葉さんはどこにいるんですか?」
蚊鳴屋が訊ねた。どこ、というのは不思議な問いだ。目の前にいるのに。
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