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「海…」
辺りを百八十度見回しても海しかなく後ろに森、というよりかジャングルがあるだけだった。
俺は後ろにあった一本のヤシの木に目印を付けて砂浜に沿って歩くことにした。
ー30分後
「この目印、俺がつけた奴だよな?」
信じ難かった俺は、そのヤシの木に二つ目の目印を付けて同じ道を走った。
ー15分後
「おい、なぁ、嘘だろ…」
信じたくはなかったが、そのヤシの木には自分が描いた2つの目印が描いてあった。
「へ、へへ…ここ…超ちっちぇ島じゃねぇかぁーー!」
騒ぎまくり、頭を抱えた。
異世界を救いに来てるのに、最初誰かに救われなきゃいけない境遇に陥るなんてあるか?普通の異世界アニメではありえねぇだろ!
一旦騒ぎ終えたところで、俺は日が出ているうちに、食料とヤシの実を採取しに木と草が生い茂るジャングルに入った。
「くっそ、あのエロ神め、いつか殺してやる」
ある程度の食料とヤシの実採取したところで、俺は小さな洞穴を見つけた。
「ラッキー!ここに食料とヤシの実を置いて、助けを待てばどうにかなんだろ、しかも幸運なことにここには他の生物はいなさそうだから夜は不安で寝れないなんてことは無さそうだしな」
完璧なるフラグだった…。
夕方頃、俺が最後の食料採りを終えて洞穴に帰ると、昼頃に採っておいた食料とヤシの実が減っているのに気がついた。
「な、なんでだ、俺の他に動物が…いや、そんなはずはない、もしいるなら食料を採取してる時に俺を狙うはずだし」
小動物とも考えたが、それにしては綺麗に消えすぎていると思った。
食料とヤシの実の減り方だが、俺の食す量を考慮して盗られた?といった感じだった。
「まさか、人間?誰かいるのか?」
俺は腕を見て魔力ゲージが少ししか減っていないのを確認した。
「これなら全然大丈夫だな…創造!」
懐中電灯と銃を造り出し、洞穴を照らした。
すると、洞穴にはまだ奥があることがわかった。
「太陽の角度じゃ、この洞穴の途中までしか照らされないから奥があることに気づかなかったな」
俺は懐中電灯を口に加え、銃を持って奥に進んだ。
「これだけあれば、まだ餓死せずにすむわね!!」
奥からは人の声が聞こえた。俺は銃を握りしめ深呼吸をして懐中電灯で照らし突撃した。
「おい!何者だ!」
「な、なな何よ!」
驚きながら両手を挙げてこっちを振り返ったのは赤い長髪の美少女だった。
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