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しかし、四人の誰もが耳にして胸の痛まない『あれ』以上に相応しいフレーズなんて、本気で俺には思い付けない。だからこそ、本当に『あれ』というフレーズに他意は一切なかった。だからこそ、伝えたいことをキチンと湾曲させることなく伝えることに尽力を注ぐ。
「気にするな。それを踏まえた上で、俺はリナと幼なじみしているつもりだ」
「え?」
「リナが理解した上で、そういった態度を取っているとは思わなかったけどな。でも、リナにはそういう考えが根底にあることは何となく気付いてたし」
「……」
俺が全てを把握した上で、今までリナと付き合っていたことを知ったリナは驚きすぎて固まっていた。そして、固まることこそなかったものの、その会話を横で聞いてたハルにもかなりの衝撃が走っていたようだ。
「ハル! 今の話、全部ホントなのか?」
「ホント、ホント! てか、カオルが気付いてなかったことが逆に驚きかなな。俺としては。それに」
「それに?」
最後まで言うべきか言わざるべきか悩んだ挙句、カオルの耳元で小さく呟やくことにする。そして、なるべく明るい声色で言い放つ。その行動が、明るい未来に繋がっていくと、信じているから突き進む。
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