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「押し売りスタイルの『愛の叫ばせ屋ごっこ』ねえ……」
「変な名称付けないでよ、ハルー!」
リナが簡単に諦めるとは到底思えない。が、簡単に承諾するのも何だか癪だ。そんなことを思いつつ、渋い顔をしているとカオリとカオルがやって来る。
「何をギャーギャー言ってるんだ、リナは?」
「ああ、カオル。丁度よかった、カオルが願いを叶えてやってよ」
「ん? なんのこと?」
「えっとねー。三人の愛の叫びを聞きたいなーって」
「「……」」
「え、何で、りっちゃんもルーくんも黙っちゃうの?」
黙るというか、言葉が続かないのは、至極真っ当な反応だと思う。
ましてや、リナのテンションに付いて行けなくても、責めるのはお門違いだと言えるだろう。だからこそ、続く二人の反応は尤もなことだと思っている。
「いやいや、リナが叫ぶのは止めないよ。だけど、私にまで強要するのはマジ勘弁!!」
「愛を叫ぶのはリナの専売特許だからねえ。俺には無理だな」
「ほら、リナ。諦めろ! 愛は強要されて叫ぶものではないこと、リナが一番知ってるだろ?」
そう言って、リナを諭しつつ、宥めていると河川敷が見えてくる。その景色を見ていて、ふと思いた俺はリナの肩をチョンチョンと叩いてアクションを起こす。リナに向けて笑みを浮かべて見せた後、とりあえず思いの丈を叫んでみた。
「愛は強要されて叫ぶものじゃなーいっ!!」
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