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私とりっちゃんとルーくん、そしてハルはご近所に住む同級生の幼なじみ。私とハルは一人っ子。そして、ルーくんは弟という立場故か、昔からりっちゃんが姉御(リーダー)的存在で引っ張るケースが多かった。
「というか、さ。俺が見るだけで、なんとかなるレベルか?」
「なるんじゃない? だって、四人の中で一番賢いのがハルなんだし」
「そうだよね。ハル、四人の中で一番聞き分けが良い子として有名だったしね!」
「リナまで、そう言っちゃう!? っていうか、聞き分けが良い子とか……俺らもう高校生だぞ?」
「高校生でも、聞き分けが良い素質は健在なんじゃない?」
笑いながら通う学校までの道のりは、どんなに距離があろうとも楽しい時間に早変わり。目的地である学校は、成長とともに小学校、中学校、そして高校と変化しても、通学のメンバーはずっと変わることなく今に至っている。
「ってか、ハル。いい加減、目ぇ覚ませよ!」
「…………」
「嘘だろ、まだ意識がトリップ中かよ」
ズルズルとハルを引きずるように学校に連れて行く光景も日常茶飯事。相も変わらず中身のない話を展開していくのも定番の流れと言えるだろう。
「ふふっ」
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