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三人を見ていると思わず笑みが浮かんでくる。ハルの面倒を何だかんだでよく見てるルーくんも、キビキビしている頼り甲斐のある優しいりっちゃんも、マイペースで昔から変わらないハルも。みんな、みんな大好き過ぎて『自慢の幼なじみ』以外に、最良の表現が思いつかない自分の頭の悪さが、あまりにも残念過ぎる……。
「ん? どうした、リナ?」
わいわいやり取りしている中で、思わずこぼれた笑みを見逃さなかったルーくんが、私にそっと尋ねてくる。このタイミングで、聞かれるとは思ってもなかったが、好都合……だろうか?
「んー。やっぱり、大好きだなーって思ったんだ」
それでも『大好き』というフレーズは、私でも用いることができるもの。真っ直ぐな言葉に乗せて、気持ちを伝えることならできるはず。言い訳無用、ストレートな言葉ほど美しいものもまたないはずなのだから。
「……俺もリナのこと、大好きだよ」
「ありがと、ルーくん!」
「…………ん、分かってるよ。そういうことだって」
何だか投げやりにも聞こえる言葉を吐きつつ、ルーくんは私の頭をぐしゃぐしゃにする。手先から伝わる乱暴さに、いつものルーくんとのギャップを感じないこともなかったが、敢えて触れないことにする。
「ちょっ、ルーくん! 私、ポニーテールするのやっとなほど不器用なの知ってるでしょ?」
「うん、知ってるー。知ってるからこそ、もっと可愛くしたくなるー」
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