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「いや、これ。可愛くなってないし! むしろ、残念さに磨きがかかって来るボサボサ頭になってるしー!」
ルーくんと二人でギャーギャー言い合い始めて、ようやくりっちゃんも気付いたらしい。
「ちょっ! カオル! リナを虐めないの!!」
「虐めてないし、ただの愛情表現ですし?」
「こんな愛情表現いらないよー、ルーくん!!」
ルーくんは、サラッとキザなセリフも言えちゃう子。だからこそ、大好きと平然と返していただける訳で……。普通の男子高生だと、幼なじみ相手になんか恥ずかしがって返してくれないことだろう。そういう貴重な存在だということも理解しているからこそ、これくらいの憎まれ口も甘んじて受け入れれるというか……。
「……こんな弟でも気長に付き合ってくれるなんて、リナに感謝だわ」
「何言ってるの、りっちゃん。三人がいるから私は私でいられるの。みんなのことは、何があっても大好きだし!」
心の底から思っている訳で……。みんなのことは何があっても大好きだという言葉に嘘も偽りもなかった。
「……」
「とはいえ、さすがにこの頭にされるのは見過ごせないけどさ」
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