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「こうが、危険だここからすぐ逃げろ。」
「パパ?」
すると、オレが声かけたときには、父親は、天井が崩れて落ちてきた岩の下敷きになっていた。
「こ……うが、逃げろって言ったのによ」
「パパ……ぼく一人じゃ嫌だ。パパも一緒に」
「こう……が、パパは、動けないだから、せめてお前だけでも逃げろ。」
その声が、父親が最後に交わした言葉だった。
天井は、さらに崩れ始め、父親の姿を埋め尽くした。
オレは、無我夢中に叫び、泣いた。
もう数え切れないくらい。
永遠に。
そして、父親からもらったプレゼントを手でギュッと握りしめて走っていた。
走っているときも涙が出て、さっき止まったはずだったのにまた溢れ出した。
あれから辛い思いを乗り越えて何年かが経った。そして今度は、父親がやっていたことをオレがやると胸に近い、再び地下へとお宝を探しに潜って行った。
地下奥深く、暗くてとても広い。
そんな地下の奥深くを小さな懐中電灯の光で辺りを照らして潜っては、お宝を見つけては、売ってお金にしたり、気に入った物は、コレクションとして集めたりそんなことが趣味だ。おそらく父親の遺伝である。
「いつぶりかな地下に来るのは…………」
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