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うん。結構痛かったもんね。バンソコバンソコ。
私は、救急箱から絆創膏を取り出して指に張る。
そして、改めて時計を見る。
やはり、時計は止まったまま。
携帯の時計も、止まったままだった。
「……ん?」
携帯の電源が入り、ロックも解除できることに違和感を感じた。
時が止まっているのにも関わらず、そんなことが可能なのかと。
私は、色々と試すために、もう一度外へ出ることにした。
シンっとしている街を、一人歩く。
初めは、なんか特別な感じがしてウキウキしていたけれど、一時間ほど歩くと、聞こえてくるのは自分の足音だけで、止まれば静寂に包まれる状況に、寂しさを感じ始める。
「誰かいないかな」
誰に言うわけでもなく一人ごちる。
すると、チリンっと鈴の音が聞こえた。
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