5/7
前へ
/19ページ
次へ
それを見て、私も立ち上がってトトに続く。 時の止まった世界では、出勤する人やごみを出している人などが、中途半端な体制で止まっている。 車も動くことはなく、本当に私とトトしか動けていないということを再確認させられる。 トトが最初に止まったのは、コンビニの目の前。 「にゃーにゃー」 「コンビニ? 本当におなか空いたの?」 「にゃ」 コンビニの自動ドアをカリカリとし始めたトト。 私は、自動ドアが機能しないことを確認すると、自力でスライドさせる。 すると、スーっと動いた。 トトは、隙間が空いた瞬間に中に入り、私もそれに続く。 動かない店員さんに悪く思いながら、トトに続く。 すると、トトはネコの餌の所で座っていた。 「ダメだよトト。盗みになっちゃうよ」  などと言いつつ、盗らないと自分も空腹で倒れる、ということはわかっている。 足元で泣き続けるトトと、挙動不審になってしまう私。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加