2人が本棚に入れています
本棚に追加
大丈夫なのかな? 手に取った瞬間に誰か動いたりとかしない?
そんな不安ばかりが、私の頭をぐるぐると回り続ける。
そんな私を見あげて、しびれを切らしたのか、トトは私の脚を前足でぽふぽふと叩き始める。
「うー……わかったよ……」
確かに、この状況じゃあしょうがないっちゃしょうがない……と思うことにする……ようにしないと心が痛い。
生きるためだもんね。
私は、動かない店員のほうをちらちらと見ながら、三つほど猫缶を取って、自分の分のパンと飲み物を、同じく三つづつ取る。
猫缶をパーカーのポケットに入れて、両手で抱えるようにしてパンと飲み物をもって、逃げるようにして外へ出た。
心臓がバクバクとうるさいほど音を鳴らし、やってはいけないことをしていると思うだけで、罪悪感が押し寄せてきて、足が震える。
トトは、私を見上げながらもついてくる。
走っていると、公園が見えてきてそこへ行く。
ブランコに乗りながら、一息ついた。
「はぁ……はぁ……あぁぁあぁぁ……」
最初のコメントを投稿しよう!