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 息切れを起こしながら、深く息を吐く。 まだ足と手が震えている。 生きるために、これからこれを何度も繰り返さなきゃいけないと思うと、膝を抱えて泣きたくなる。 今まで万引きなんてものもしたことはない。 自分で言うのもなんだけど、私はいい子でいた。 そのせいなのかわからないけど、ちょっとでも悪いと思うことをすると、とてつもなく心が痛くなる。 うつむいている私の脚を、先ほどのようにトトがぽふぽふしてくる。 「あぁ……ごめんねトト。おなかすいてるんだよね……」 ポケットから猫缶を一つ取り出して開ける。 そのまま地面に置くと、トトは勢いよく食べ始めた。 それを見て、少しおなかのすいてきた私は、手に持っているパンを見つめる。 ……うじうじ悩んでられないもんね。 そう思うことにして、私はパンを一つ開けて口に運んだ。 時のない世界から、状況を説明します。 盗みをしないと、生きられないことが判明しました。 今後の予定はなし。とりあえずは、今のこの罪悪感になれることが当面の目標になりそうです。 「はぁ……大丈夫かなぁ……」   不安は大きいです……。
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