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弐
夢を見た。
私は、何の変哲もない住宅街に住んでいるはず。
なのに、私はどこか暗い場所にいた。
周りには数人の男の人。
手には拳銃。鈍く黒光りするそれを、その数名は私に向けている。
その拳銃が発砲されたであろう瞬間に、私は目が覚めた。
「はぁ……はぁ……」
私は、寝汗を大量にかいていることに気づく。
時間を見ると、変わらずの五時四分。
公園のベンチの上で座りながら眠ってしまったらしく、トトも隣で丸くなって眠っていた。
私は息を吐いて、空を見上げる。
流れない雲を見つめ、なぜか吹く風を感じ、ぐっしょりした服に気持ち悪く思いつつ、ぼーっとする。
「そういえば、お風呂とか入れるのかな?」
んー。シャワーとかは無理かなー。お湯とかがあったかいままならいいんだけど、風が吹いている以上、冷えちゃうのかな?
などと一人悶々と考える。
一乙女としてはお風呂をないがしろにするわけにはいかないわけで。
「いったん帰ろうかな」
着替えも欲しいし。
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