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……あれ、洋服変えても洗濯できないんじゃ?
「んぁあああ!! どうすればいいのぉ~……」
頭を抱えながらじたばたとしてしまう。
その声と行動に、トトはびっくりしたのか飛び起きて、私に向かって「シャー!」っと鳴く。
「ご、ごめんねトト。でも、女の子が通っちゃいけない道に歩まなきゃいけないのかどうかの瀬戸際なんだよ。許して?」
私は頭を下げながら言うと、トトはベンチから降りて、歩き始める。
しっぽをゆらゆらさせながら、ゆったりと歩く。
私はどうしたものかと思いながら、前を歩くトトについていく。
歩いている最中も、自分から匂う汗の匂いに顔をしかめながら、トトについていく。
どんどん見慣れた景色になっていく。
着いたのは、私のよく知っている場所だった。
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