第2章

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歩く事15分。 街を抜け、鬱蒼と生い茂る森の目の前へとやってくる。 そこには看板が置いてあり「この先、危険区域」と書かれている。 「この先から危険区域だ。森を抜けた先に街があると言われているが・・・それは行ってみないとわからないな」 「・・・よし、入りましょう」 何があるかわからないので剣を構えて森の中に足を踏み入れる。 その瞬間、吐き気を催すほどの重さの空気が襲いかかる。 まるで空気に意思があり、形を変えて体にまとわりつくような感覚。 「う・・・なんだ、これ」 それはまるで侵入者を捉えようとする蛇に近いものがある。 体に巻きつき、締め付けられ、息を吸い込むのも苦しい。 「これは・・・予想以上だな・・・!」 しかしだんだんと体の方が慣れていき、次第に空気の重さも軽く感じるようになっていく。 これも七不思議の一つなのだろうか、体の慣れというよりも何かの意思によって部外者の侵入を受け入れたように空気が軽くなっていく。 「とりあえず・・・大丈夫そうですね」 「あぁ・・・」 「ウチにはなんもわからなかったけどね!」 「ん? 今女の子の声が・・・」 そういえばターリスの説明をしていなかった・・・ 一緒に行動する以上はターリスの事を隠し通すわけにはいかないだろう。 「あ、いや今のは・・・ターリス、出てきてくれ」 「わかった!」 今まで背中に張り付いていたターリスが離れ、宙に浮いた状態でイゾラにお辞儀をする。 「ウチはターリス! よろしくね!」 「よ、妖精か!?」 「いえ、機械です」 「な、なんだ機械か・・・って機械なのかこれは!」 やっぱり誰がどうみても機械には見えないらしい。 架空の存在と言われている妖精と言われた方がまだ信じれるというのは、一体どういう事なのだろうか。
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