第2章

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空中ブランコの下降が停止する。 すると観客席にいる人形達の頭がカクカクと音を立てながら動き出す。 「ギャァヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ! 僕ちんの殺戮ショーの始まり始まり!」 ディレットの左目。 十字になっている目の縦線が黒く光り出し、Ιマークが浮き出てくる。 「イゾラさん下がって!」 咄嗟にイゾラを庇う位置に入り、剣を構える。 「ウチは空中でスキャンするから待ってて!」 「頼む!」 ターリスは天高く飛び上がり、ディレットを青い目で捉える。 ディレットは空中ブランコから降りるとピョンピョンと跳ねながらこっちに近づいてくる。 「僕ちんはピエロだから色んなことができるんだ。だってピエロだからね」 するとディレットの頭上から3本の剣が降ってくる。 それを軽やかに受け取り、器用にジャグリングし始めた。 「ふざけやがって・・・!」 熱くなる右腕。 地を抉る勢いで走り出してディレットに斬りかかる。 しかしディレットはこちらの攻撃に合わせてジャグリングをしながら持っている剣で器用に捌く。 何度もがむしゃらに斬りつけても、その全てが相手の3本の剣によって弾かれてしまう。 「くっ・・・この!」 「 ダメダメ、僕ちん強いからそんなの攻撃のうちに入らない。だって僕ちんだからね」 するとジャグリングの動きを止め、二本の持っている剣でこちらの剣を挟んで動きを止める。 さらに、空中にあったもう一本の剣が俺の頭を目掛けるように落下し始める。 「な・・・!」 相手の剣に挟まれ動かない自分の剣を咄嗟に離し、頭上の剣を避けて距離を取る。 「ギャァヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ! これで君の武器は僕ちんの物だね!」
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