第2章

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お腹を押さえながらうずくまるディレット。 「ウギギギギギギギ・・・まさか・・・僕ちんが・・・」 「お前には色々話してもらうことがある」 ディレットは口から血を吐きながら俺を見据えると、ニタリと笑顔を見せ語り始める。 「いいよ、僕ちんを楽しませてくれたご褒美に色々教えてあげちゃう」 ディレットの話を聞いて俺は驚きと怒りを隠しきれなかった。 デセスの能力は感情を奪う能力。 奪われた感情はデセスの中で生き続けるという。 そしてディレットやフロイデはデセスの指示で、強い感情をもつ者を捉えてデセスに引き渡していたという。 新聞のインタビューにも書いてあった「少しの間居なくなったと思ったらすぐに帰ってきて、その時にはもう感情がない」のはそのせいである。 そしてデセスが感情を集める意味。 俺はディレットの言葉を疑った。 「デセスが・・・二人いるだと?」 デセスが二人いる。 もう一人のデセスの名はディスペアという名前らしく、ディスペアにはもともと感情が無いという。 デセスは大量の奪った感情をディスペアに移し、感情のぶつかり合いをさせることにより暴走させて世界を破滅に導こうとしているというのだ。 つまりデセスは、世界を壊す為に感情を奪い続けているということ。 しかしここで生まれる新たな疑問がある。 なぜデセスが二人いるのか。 そしてもう一人のデセス(ディスペア)にはなぜ感情が無いのか。 なぜ、世界を壊そうとするのか。 それらの質問は全て“わからない”と答えるディレット。 ついでにデセスのもう一つの能力についても聞いてみたが、それも分からないらしい。 「ギャァヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ! 僕ちんお腹痛いのによく頑張ったなー!」 「黙れ、お前から聞くことはもう何もない」
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