第2章

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「これは・・・一体」 靄を出しながら徐々に薄れて行く体。 このピエロは一体、何者だというのであろうか。 「これから戦う敵は人なんかじゃないんだよ」 「・・・」 そうだ。 仮に人間だったとしても、俺はここで立ち竦んでいる場合じゃない。 俺にはやるべきことがある。 それは俺の為だけじゃなく、感情を奪われた人やそれらと関係ある者たちを救う為でもあるのだ。 「ありがとう、もう迷わないよ」 「うん! ウチもついてるから!」 「あぁ」 とにかく、この戦いは終わった。 気づけば人形たちは静まり返り、扉も開いていた。 それにしても最初から仕組まれていたとは・・・ イゾラの亡骸を見てそんなことを思う。 次はどこに行こうか・・・ 結局ここにデセスはおらず、次の目的地もわからぬままだ。 とりあえず博士に電話してみるか・・・ 「ターリス、博士に繋げてくれ」 「わかった!」 ターリスの目が光り、「呼び出し中」と言うと数秒後に博士が電話に出る。 『ルトか、どうじゃ無事か?』 「あぁ、なんとかな」 『それは良かった。あぁそうじゃ、ルトに伝えたい事があってな』 「なんだ?」 『ポーストインネバートという街に、かなり前から感情を失ってしまった少女が入院しているという情報を手に入れてな。おそらく情報収集の役に立つ事だろう』 かなり前から? デセスはそんな前から感情を奪い続けているのだろうか? いや、そしたらもっと早く謎の流行病として恐れられていたはずだ。 とにかく今はそこへ向かうとしよう。 「わかった、次はそこに向かう事にするよ」 『うむ、気をつけてな』 きっと俺の向かう先々に、俺の邪魔をしてくる奴がいるのかもしれない。 だがもう迷うことはない。 俺は世界を救うために戦う。 そう考えると、とても心が楽になるような感じがした。
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