第3章

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懐かしい家だ。 俺がまだ小さい頃。 母親がまだ生きていた頃住んでいた家だ。 ここは夢の中だろうか。 母親が今目の前にいる。 「ルト、あなたのその右腕の傷はね、きっとルトを過酷な道に引きずり込もうとするはずよ」 右腕の傷・・・ Ιマークの事か。 「だけど大丈夫。どんな事があっても必ず****できるから・・・」 なぜだろう。 いつも肝心な部分が聞こえない。 「あなたの****は****。その意味は異国の言葉で****という意味」 聞こえない。 「私の余命は少ないけれど、大丈夫・・・大丈夫よ」 視界がぼやける。 グラーっと視界が歪み、やがて真っ暗な何もない世界になった。 声が聞こえる。 あぁ、ターリスの声だ。 「起きて! 着いたよ! ルトー!?」 やはりここは夢の中らしい。
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