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 "自身"を思い出す必要があるようだった。  石段を眼下に、強く拳を握る。躊躇は長かった。既に自分は警告を破った。  "良い子は帰る時間だよ"  守れなかった約束、そしてこれは罰。自業自得の選択に責任をとるのは自分だ。  夜を歩けば、一つオトナになれる。私はそう思っていた。  足の震えが、石段を降りるのに邪魔をする。
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