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「 昔から目撃情報は多発している ただ物証はなに一つ出ていない 川に何かが飛び込んだとか泳いでいたとか音を聴いたとかだ そりゃ川には何か飛び込むだろうし泳いでいるだろう 静かな場所だから音もよく聞こえるだろう 大型の魚 例えば鯉や雷魚なんかが跳ねれば結構大きな音が辺りに響くんじゃないのか ただここから下流でそのような話はほぼ無い この幅10mほどの川を見て今ここに河童がいると思うか 」
「 河童が魚のように水中で生活する生物ならわかりませんが陸上で生活する生物ならいないと思います 」
「 なかなかいいぞイソノ そうだなこの場所に生息しているなら巣が必要だ 河童の特徴からえら呼吸の水生生物では無い事はわかる 肺呼吸なら巣は陸上或いは水際だろう ここは人目があり過ぎる 巣があるのなら必ずなにかしらの物証が残るはずだ 」
「 じゃあもしいるのなら上流から来てると あと海乃です 」
「 餌場 或いは何か目的があるのか とにかくここから上流に河童を追うぞ なんでもいい目についた物は報せてくれ 」
「 わかりました班長 」
それから2人で川の両岸に別れて上流を目指した、スタート地点の山際の平坦な場所は流れも緩やかで川幅も広くひっそりとして如何にも何か潜んでいそうな雰囲気を醸していたが、山の斜面に入ると流れが激しく大きな岩のゴロゴロした川幅の狭い川へと変容した。たまに釣り人の痕跡のような物は見受けられるがこれと言った物は何もなかった。途中、平坦になった場所では流れが止まり水が深くなっていてそれなりに妖しい雰囲気はするのだが。
川幅の狭まった地点て三刀小夜と合流した。
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