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 到着した場所は東京駅から4時間ほど列車とバスを乗り継いだ山間部の町、というより村なのだろうか、道は広く交通量もそこそこあり建物も道の両脇に建ち並んでいるのだが奥がない、道に面した建物の裏は田畑か林か山だ。要は道に建物が張り付いているのである。道ありきなのだ。 「 どうした バスにでも酔ったか 」 「 いえ でも車で移動するものと思っていたので 」 「 まあ人それぞれだが 車の移動だと出発地と目的地の点と点の移動になるからな 交通機関を使うと線の上を移動する事が出来る 間にいくつかポイントも挟まるしな それで見えてくるものもある まあどちらも一長一短なんだがな ウチは季刊誌だから時間に追われることも少ないからってのもある 駅のトイレはどうだった 」 「 えっ ああ臭くて古かったです 和式のトイレを久しぶりに使いました 」 「 車の移動だと分からない情報だ 港町の船着き場のトイレなんかそのまま海面が見えてたりするやつが結構残ってるぞ 」 「 いや意味かわからないんですけど 」 「 だから海の上に穴があいてるだけなんだよ 」 「 そのまま海に落としちゃうんですか そんなのいいんですか 」 「 昔は良かったんだよ それが今でも残ってるだけだ 昔は鉄道も下が見えてたらしいからな マナーとして走ってる時に使用しなくちゃダメだったらしいぞ 」 「 なんでです 」     
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