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「 駅に停車中にしちゃうと列車が発車したあとそのまま線路上に物が残ってホームから丸見えで流石にまずいだろ 走行中だと風圧と車輪に撹拌されて跡形も残らんからな 」
「 今の時代じゃ考えられないですね 」
「 ところが地方に行くと結構そう言った物が現存してたりするんだよ 車の移動ではそれが見えにくい サービスエリアも宿泊施設も都会基準で造られてるからな 自分の生活圏の延長線上にあるように勘違いしてしまう だから出来るだけ交通機関を使うようにしてるんだ 」
この三刀小夜という女性はただの意味のわからない人間ではないのかも知れない。
「 ところでイソノ君は山姥に追いかけられたことはあるか 」
「 ないです あと海乃です 」
前言は撤回する。
その日は日が暮れてから山際の宿泊所に到着した。登山者用の宿泊施設らしく簡素な造りだ、食事は食堂がありそこで提供された。次の日は早朝から取材をするらしく5時に食堂に集合するよう言われた、それまでは好きにしていいとも。
好きにしていいと言われたところで何もすることはない、共同シャワーを使った後早目に寝ることにした。
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