一頁物語の小瓶

Halloween(ホラー)

今日、10月31日はハロウィンと言うイベントだ。
受かれた人間たちが仮装して、暴れまわるイベント。
本来は日本でいうお盆みたいなものなのにな。

仮装をするのは、人間だと思われない為。
お化け達は人間を見付けると連れていくから、お化けに扮すると言われている。
何時からか、ただのコスプレイベントと化してるけど。

「さて、人間は……と」

俺らの中でルールがある。
例え人間だと分かっていても、お化けに扮してる奴はNG。

居る居る。
ただの人間の格好してる奴等が。
まあ、人間の格好しててもまともな奴は可哀想だから連れていかないよ。

俺のターゲットは人間の格好をして、この中に紛れて悪さするやつだけ。
さて、誰からにするかな……。

「まずは、あれだな」

酔って暴れまわる若者3人。
暴言吐いて、周りにキレてるけど。
お前らが酔ってぶつかってるだけなんだよ。
なのに、脅して金まで奪ってケタケタ笑ってるのは見過ごせないなあ。

「君たちは私刑」
「ああ？！」
「んだテメエやんのかコラァ！！」
「上等だテメエ！」
「そうだなあ……君たちはサンドバックだ」

彼等は死ぬことも出来ずに、化け物のサンドバックとして生きてもらおう。

次は、と。
あの女の子を襲ってる2人だな。
暗がりに連れ込んで2人がかりなんて、卑怯な奴だ。

「君達も私刑だよ」
「なっ……お前どこから……！」
「君達はそうだなあ、鬼ごっこの狩られる側だ」

せいぜい泣き叫びながら、追いかけ回されるといい。
捕まって殺されたら、また始めからだよ。

最後は……あの男女5人組。
彼等は特段ここでは悪さしていないけれどね。
いつもはイジメを行ってて、彼等のせいで不登校になった子や引きこもりになった子、自殺した子まで居る。
それなのに、悪びれもせず楽しそうなのは許してはいけないね。

「君達は最高の私刑」

彼等は魔王の奴隷兼サンドバック。
死ぬことも許されず、魔王が飽きるまでずっと奴隷として生かされる。
飽きたら？さあ、どうなるんだろうね？
死ねない彼等の処遇は魔王だけの知ることさ。

ああ、俺の紹介がまだだったね。
俺は悪魔と呼ばれる存在だけど、綿密には違うんだよ。
悪霊に近いのさ。
ハロウィンポリスでもあるよ。
ハロウィンの日に、ハロウィンを汚す人間達を狩る存在さ。

……元は人間なんだ。
殺されたり、自殺した奴等だけの集まりだよ。
だから、俺らは私刑って言うのさ。

さあ、Trick or Treat!
お供えものくれたら見逃してあげるよ。

Halloween
(人間は連れてかれまいと仮装するんだ)