編入生は二人

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副会長とは違う道で行かないといけない。 だから俺は裏に回った。裏口から入るためだ。 この学園は壁に囲まれている。そして壁は表門と、内側からしか開かない裏門以外に出入口は無い。 俺は裏口に向かう途中で、裏門から人が入ってくるのを目撃してしまった。 どこか懐かしさを感じさせる…どこにでもいる男子高校生が入ってくるのを。 へ、平凡君じゃね?編入生二号じゃね? 見てしまった以上、観察せずにはいられない。 どうやら平凡君は裏門を見つけ、ノックしたところ、運良く清掃及びプランター等の整備のおじさんがいて開けてもらえたらしい。 いいのかなそんな簡単に開いて…… にしても何だろう。この普通に会話して普通に別れる、落ち着く感じ…。 もうこれは平凡受けでいいよね。確定。俺が受けとか100%なくなった。有難い。 平凡君はいつの間にかいなくなってて、俺は急いで会場(理事長室)に向かった。色々見逃しちまったけど気にしなくない。 俺が着いた時は、ちょうど編入生ズが理事長室から出てくるところだった。 初対面とはいえ、同い年で編入生同士。しかし会話は進まない。 原因は奴だ。雪埼薫というらしいのだが、敬語で話している。ますます王道じゃねぇ。なんか距離感がある。皆友達精神は無いらしい。 うざくなくて結構だが、逆に悲しいよ。 荷物は友達かららしい。紹介して欲しい。同士の臭いがぷんぷんする。 息を殺して見ていれば、職員室に行くらしく、2人仲良く降りていく。奴は何故かスケッチブックを手にしていた。 少し時間を置いて追いかける。 職員室前に荷物が置いてあった為、廊下に人がいないか確認。誰も居ないようで安心した。 出てこない内にと物陰に隠れたところでちょうど3人が出てきた。間一髪。 和やかに談笑していたかと思えば、雪埼とやらが荷物と共にこっちに走ってきた。やばい、気付かれたか?
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