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お昼ご飯の時間。強面さんを誘おうとしたが、僕が話しかける前に何処かへ行ってしまった。
仕方ないので斎藤君と2人で食堂に行こうと斎藤君を探すと、例の彼と話していた。
結局3人で食堂に行くことになった。
彼、一俟 鑢星(カズマリョセイ)は何だかとても落ち着きがない。……どこか彼女に似ている。友人メシアに。
食堂は一俟の案内で難なく辿り着けた。
やっぱり学校というより豪華ホテルである。テーブルクロスのかかった丸机(?)に高そうなフカフカのイス。ステンドグラス…言うなればとてもアンティーク。しかし食券販売機があるという何ともミスマッチな…。
あの人ボタン好きだもんな。タッチパネルがくるよりいいけど。
斎藤君はますます畏縮していた。
「一俟さん、何がお勧めですか?」
先程から全く此方を見ようとしない人物に声をかけた。驚いたように此方を見る。
「何食べたいんだ?」
「…腹の足しになるものですね。別にご飯じゃなくても良いんですけど。」
「ほっ…。そっか。じゃあパフェとかでいいんじゃね?」
何に対するため息なんだろう。安堵のため息って感じだったけど。
(にしてもパフェがあるんだなぁ。重宝しよう。)
斎藤君はオムレツらしい。分けてもらおう。
一俟はうどん。場にそぐわないよね絶対。
事前にもらっていたカードで支払う。適当に立ってたら、どうしたのと聞かれた。
「?…パフェを待ってるんですよ。」
番号札も渡されなかったから当然だろうとそう答えたら一俟にひっぱられた。
「座って待つんだよ!」
真面かよ…ますますホテルだよ。
座り心地の良いイスに腰掛け、ステンドグラスを観察する。凄い綺麗。
「雪埼って割と庶民派?」
突然話しかけられた。
「ええ、そ…れは違いますよ。」
答えたところで丁度パフェが届いた。反射的にウェイターさんに会釈する。仕事早いな。
豪華なパフェにスプーンをいれる。間違いなく食後のデザートには食べきれない一品。しかし、僕はこれオンリー。余裕だ!多分。
何かすごいクリームに感動してたらいつの間にか食堂が騒がしくなってた。
(うるせーなあ。ここって共学だっけ?)
女子がいるのではと疑いを持つくらいには高い声がしている。
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