編入生は二人

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喉は駄目だろ。苦手なんだよ。パーソナルスペースだよ。 「僕だって副会長さんと話してました。」 何か偉そうな態度で身長高くて、寂しそうな綺麗な瞳の男の人がムスッとした顔を「は?」の顔にしてた。良い表情すんじゃん。 「確かに人の話はきちんと聞くべきです。なので謝罪申し上げます。すいません。しかしながら、人の会話を邪魔するのもいけないと思うので、謝罪を要求します。」 噛まなかったから大変清々しい気分である。おや?返事がない。ただの屍のようだ。 「…副会長さん、この方はどちら様ですか?」 「…へ?あ、はい。緋壌堂学園生徒会長です。」 副会長さんの抜けた返事も素敵。じゃねぇ。 「じゃあ、やっぱり疲れてるんですね。確かに貴方には荷が重そうだ。」 後半はついでちゃったもので、多分聞こえてない筈。 肩にのせられていた手を退け、パフェに向き直る。ちゃっかり向かいに座った副会長さんに笑いかけとく。 「冷たい内に食べたいので。」 何せアイスが乗っかっているのだ。幸せ気分に浸りながら食べていると、やっと会長さんが動いた。若干ぎこちない。 「副会長さんもパフェ食べます?」 お腹に不安を覚えて聞いてみた。 「!…っはい。」 食べかけなのに案外嬉しそう。 「スプーンもらってきますね。」 そう断って席を外し、先程のウェイターさんの方へ走る。 周りの視線は、僕を一瞬だけ捕らえて離れる。 僕は耳が良い方だ。そして会長さんと副会長さんの心地良い低音は聞こえ易い。周りが少し煩くても。 だから「あ、走ってる…」という副会長さんの言葉もばっちり拾った。 廊下じゃないからいいんですーー!許して。つーか「あ、」とか言ってちょっと僕を責めてる風というか拗ねてるっぽいの可愛いな。歳相応っぽい。 基本的に副会長さん大人っぽいもんな。どんな人生送ったらああ育つんだろ。
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