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びっくりして高い声出ちゃったじゃないかー。
「な、何ですか会長さん。」
肩を引かれ身体を引き寄せられる。わー会長さん睫毛長い。眉もキリッとしてるー。男らしいー。
高い位置にあった瞳とバッチリ視線が重なる。
人の肩を掴んで持ち上げるのは良くない。目を合わせて話がしたいなら屈めばいいだろ。
「下ろしてください。」
声をかけたと同時に顔が近づいた。
「いや、だから近いですって!」
肩を押そうとしたんだけど、肩を掴まれてるからか上手くいかなくて……顔面抑えつけちゃった。
「何をする!!」
「こっちのセリフですよ。」
ド正論とか言ってツボってるの見えてるからな。
腹抱えてる一俟は一応助けようと(?)してくれていたらしく、すぐ近くにいた。
「ご飯食べる時間なくなりますよ?」
会長は再び固まった。僕を持ち上げたままで。迷惑な話である。
「一俟…たすけてくださーい。」
一俟と副会長さんが頑張って下ろしてくれた。地に足がついてるって素敵だね。
ランチタイムは…まだ割と…長くないか?
優雅なご飯は優雅な時間の使い方してたべるんですね。
「ふぅ……それで、お名前は?」
仕切り直そうと此方から声をかける。
「あ、うん。俺は九条湊(クジョウミナト)だよ。生徒会会計ってのやってるんだよね〜。」
キミ、薫くんだっけ?よろしく〜と手を伸ばされたのでそっと握手しといた。自分から手伸ばしといてなんでウケてんだよ。
「お、おれ…は、かなた。」
…のんびり屋さんなんだろう。大きく育ってまぁ…首が痛くなりそうです。
「なるほど。それで、ご飯食べないんですか?」
「あー…食べるよ。食べる食べる。いくよ会長ー。くー達も。」
「「はーい!」」
突然背後から現れた顔形そっくりな2人組。今までどこにいたんだと振り返って見ると、1人席に座ったままの斎藤くんがいた。
「絡まれてたんですか?」
疲れたように力なく頷く斎藤君は少し顔色が悪い。両脇から揺らされたりでもしたんだろう。
会計さんの呼びかけで去っていく生徒会御一行。会計さん苦労人疑惑浮上。にこやかに「では。」つって加わった副会長さんも何だかんだマイペースっぽいしな。
「雪埼、もう食べないのか?」
「はい。お腹いっぱいです。」
「じゃあ教室戻るか。斎藤も…立てるか?」
生徒会御一行が去ってもなお集まっていた視線。居心地が悪いのは確かだし、もう用もないので一俟の案に乗る。
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