強襲揚陸艦エステル

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強襲揚陸艦エステル

 二九世紀、AIの進歩によって宇宙開発は急速に進み、大量の資源と技術力を手にした人類は着実にその活動範囲を広げていた。  惑星ディオ。この古い辺境の植民星は、二十五世紀に本格化し始めた宇宙植民計画最初期の植民星である。  恒星から比較的遠い為に、長年開発には適さないとされていたが、豊富な鉱物資源発見に伴い、薄暗いながらも辛うじて絶え間ない光が地上を照らす二つの月の反射を利用したプランテーションが少数設置された。  そして資源開発終了と共に放棄される。居住環境に必要最小限のテラフォーミング(惑星環境改造)で放置された、本来プランテーションに適さない土地をこれ以上開発するような物好きなど居なかったのである。  現在、サイズと質量が地球に近い事から、軍の訓練場として時折使用される程度であった。
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