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きっかり30分後、和也がピラフを、くるみがグラタンを食べ終わるころ、二人の前に翔吾が現れた。
「何? どうしたの、翔吾?」
どこにいるか聞いてきたと思ったら、いきなりジョセフィーヌに現れるなんて。
翔吾は真剣な表情で思いつめたように立っていた。
しばらくそのままでいたと思ったら、急に和也の方に顔を向ける。
「ごめん……オレ、くるみが好きなんだ」
長い沈黙。
和也はむうっとした顔を隠しもせず、翔吾を睨みつけていた。
「……今さら何言ってんの?
くるみは、オレと付き合うって言ったんだよ!?」
「知ってる」
「じゃ、どうしていきなりそんなこと言えるんだよ!
邪魔すんなよ」
「……いきなり気づいたんだからしょうがねえだろ、こっちも」
「ーーなんだよ、それ」
「ごめん、そういうことだから。行こ、くるみ」
翔吾はくるみの手をつかんで、席を立とうとしている。
「ちょっ……しょ、翔吾!? ちょっと待って!」
「何……」
「だって、いきなりそんなこと。
どれだけアタシを振り回せば気がすむの!?
アタシは和也くんと付き合うって決めたんだよーーようやく決めたのに」
「カズが好きなの?」
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