サクラサイタ……のか?

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ーーは!? 二人の背後から、いきなりくるみの心を代弁する声が聞こえた。 それも叫ぶような大声の。 「な、な、何!?」 二人が振り向くと、黒川蘭が妖艶な笑みを浮かべて立っていた。 「何なんでしょうかねぇーー  このバカップルぶりは」 「聞いてた!?」 翔吾が慌てたように蘭に聞き返していた。 「聞いてたよーー  っていうか、あんな大声で話してたら、イヤでも耳に入って来る、っちゅーの」 「悪い」 「畠山さんをからかうのも大概にしときなよ。  あ、それから、明日は合格発表だからね、忘れないでよ。 一緒に見に行くでしょ?」 「りょーかい」 「じゃ、お先にーー  お邪魔しました。ごゆっくりねぇーー」 黒川蘭は上機嫌で帰って行った。 ーーふ、二人で発表見に行くって…… からかうのも大概にしとけって……   どういう意味なんだろう。 黒川さんのあの余裕ありげな笑みに自信が打ち砕かれていく気がする。 「く、黒川さんとは同じ大学行くの?」 「受かればね」 翔吾は、さも当然のように答える。 ーーそりゃ、そうだよね。   だって、黒川さんも翔吾も国立の医学部が第一志望なわけだし…… 「仲、良いよね……」 「まあね、小さい頃から一緒に遊んでるし」 「お、幼なじみなんだーー」 「っていうかイトコ」 「そっか、イトコなんだーーえっ! イトコ!?」
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