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「何かすごいね……
おじいちゃんがイタリア人とか。……ってことはクォーターってヤツ?」
「そうだね。やっぱり……気にしてんのかなーー」
翔吾がぼそりといった。
「自分はフツーの日本人、って思ってるんだけど、やっぱりフツーじゃないらしくて、イロイロと。
じーちゃんは結構強烈なイタリア人だしね、オレは大好きなんだけど。
だから、なんたら王国の王子様とか言われたりするとかなりムカつくんだ」
「……」
「正直、そういう感じで言われるのは慣れてるっちゃー慣れてるし、悪気がない、ってのもわかってる。
でも、気持ちのいいもんじゃないからさ、時々大人の対応ができなくなる」
「……ごめん。アタシ、相当無神経なことしてたね」
「蘭なんかさ、とーちゃんがアメリカ人とのミックスだからもっとややこしくて。
小さい頃なんか、蘭はすっげー可愛かったんだよ。
つーか今でも美人だけどな。
環境も環境だし、おまけにあんな外見だから、いろんなことを言われてきてるんだ。
気が強くて図太いのはそのせいかもなー……
ま、オレは蘭が大好きなんだけど」
不思議な感じ……
話を聞いてみれば、
翔吾が「蘭が大好き」なんて言っても、全然嫌じゃなかった。
むしろ、蘭が好きだから翔吾をもっと好きになってしまう気がする。
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