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「受かったよ」
ーー受かったんだーーー!!!
「オメデトーー!」
「蘭もね」
「……オメデト」
「テンション低っ!!」
「だって……」
「気持ちよく祝ってやれよーー
蘭だって頑張ったんだからさ」
ーーそれはわかってるんだけどさ。
二人が一緒に同じ大学に通うのだと思うと、心穏やかではいられない。
それから、翔吾が、蘭と祝杯をあげるけど一緒にどう、と誘ってくれたので、ジョセフィーヌで待ち合わせることにした。
くるみが駆けつけると、二人は楽しそうに大学の話をしている。
どんな講座をとるか、とか、どの先生の授業がキツいのかとか、早速情報収集をしているらしかった。
翔吾の隣に座ってはいるものの、くるみは蚊帳の外に放り出された気分になる。
翔吾がくるみをちらりと一瞥して言った。
「すげー頑張ったんだけど、オレ」
「……うん? わかるよ。
だから合格したじゃん」
「ご褒美くれないの?」
「は!?」
「くるみはオレに何にもくれないの、ご褒美。
だってさーーオレはいろいろやってあげたじゃん?
イヤだ、つーのに、訳のわかんないコスプレまでしてさ」
「……何か欲しいものがあるの?」
「クチビル。
くるみのクチビルが欲しいなー」
「!!!」
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