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花澤大学の発表を一緒に見に行った時のこと。
恐る恐る掲示板の番号を見る。
「不思議なんだけどさーー
洋平と私の番号って、少し離れてたのね。
なのに、掲示板を見た途端に両方の番号が同時に目に入ってきてさ」
「わー!! ドラマみたいーー!!」
「うん。
ホント。ドラマとかでカメラが数字をどアップで写すじゃん?
あんな感じで、目に飛び込んできたの。
もう、奇跡だと思ったね、あの時は。
洋平も全く同じだったらしくって、その場で万歳して飛び跳ねちゃったよ」
二人でバカみたいに万歳して飛び跳ねて、気がついたらがっつり抱き合っていたんだそうである。
「で、そのまま何となく流れで?」
「ええええーーー、そのまま!? 公衆の面前で初チュー!?
恥ずかしくなかったの!?」
「今、思えばね……
でも、あの時は、自分もすごく嬉しかったし。
洋平が受かったのもすっごく嬉しかったし……
いやあ、あの時の洋平がやけにキラキラして見えたんだよね。
もう、キスするしかない! って感じで気持ちが盛り上がっちゃってさーー」
「なに、その青春」
「やっぱ、勢いが大事なんじゃないの、最初は」
「勢いか……」
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