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勢い……
「してくれるのを待ってる」と言われた翔吾に勢いは全く感じられない。
くるみの方で「えいや」とコトに及ぶことができるものなのだろうか?
「ってか、何でそんなこと聞くのよ?」
実は……と言って、ことの経緯を話すと、若菜は大笑いをした。
「何、それ。
翔吾、そんなこと言ったのーー!?
あーーでも、なんか翔吾っぽい、っちゃあ、翔吾っぽいよね。
つーか、女の方からキスさせるか? 普通。
相変わらず上から目線の男だよ。
いいじゃん、『今からキスしますからよろしくお願いします』って言ってキスすれば!?」
「ムリ」
「だよねー、わかってて言ってるもんね。
無理やりキスしちゃえ!!」
「……でもさ……憧れのシチュエーションとかさ……あるじゃん!!
やっぱり、最初なわけだし、これだけは外せない!! みたいな?」
「じゃあ、どういうのが良いの? やっぱりあすなろ抱き的な? それとも壁ドン的な?」
「うーーん……」
お誕生日にロマンチックなレストランに連れて行ってもらって……
そのあと、海岸で散歩したりしているうちに、「はい、これ」とかさりげなく指輪かなんかをプレゼントしてくれて……
「いや、それ、プロポーズだから!!」
「じゃあねぇ……」
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