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街を歩いていたら不良(!)に絡まれるの。
どこかに連れ去られそうになっている所に、颯爽と翔吾が登場して、不良からアタシを救い出してくれる。
そのまま、アタシの手を握って、逃げるの。
不良をまいたところで、二人は見つめあって……
「なに、その漫画な感じ!! つーか不良に絡まれるって……」
「ダメーー? じゃあねぇ……」
二人で神社にお参りに行ってさ……
階段を滑らせて転びそうになるアタシを翔吾が思わず庇って落ちちゃう。
気がついたら、アタシは、翔吾の上でしっかり抱かれてるの……
「きゃーー!!」
くるみはたまらず叫び声をあげた。
「それ、めちゃくちゃデンジャラスじゃない!?
ドラマじゃないんだからね、翔吾が全治三ヶ月の骨折とかしたらどうすんのよ!!
アンタね、そんなことばっか妄想してると、永遠にチューなんかできないよ!?」
相変わらず若菜は辛口だ。
それからも、くるみはきっかけが掴めず、悶々とした日々を過ごしていた。
挙げ句の果てには、翔吾から「くるみー、今日もキスしてくれないのーー? くるみにして欲しいなー」などとあっけらかんと突っ込んでくる。
洋平や若菜のいる前でも言うから、くるみは顔を真っ赤にさせて俯くしかなかった。
洋平がそんなくるみの顔を見て笑う。
「くるみちゃーん、オレが練習台になってあげちゃうよぉ?」
「ムリ!! ムリだからっ!!!」
ムキになって手をふると、翔吾が耳元で囁いた。
「そんなことはぜってーさせない、って。
くるみのクチビルはオレのモノだから」
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