6.月のない夜には君の名を

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命令したのは局長…? 「おはよう!腹ペコだよ」 「朝食の準備ができてます…」 いつもと変わらないあの沖田さんだ。 何で平気なの? そんな笑顔を向けないで。 人が死んでるのに… 自分たちで手をかけたのに… 笑顔がひきつらないように必死で。 すごく不自然だったと思う。 「顔色が悪いよ」 「いえ…大丈夫で…」 くらくらする。 立ちくらみかな? 背筋に悪寒が走り、おでこにうっすら冷や汗。 あれ…? 星が飛ぶ。 全校集会で貧血起こしたときみたいなあの感じ。 目の前がチカチカして、真っ白になっていく… 「かれんちゃんっ!」 意識が飛んだの? これを機に、今度こそ元の世界に戻れないかな。 目を覚ましたら、今度こそ。 良くしてくれた八木一家と局長には申し訳ないけど。 最初から優しくしてくれた山南さんと井上さんにはすっごく感謝してるけど。 沖田さんと藤堂さんとは話も合うし、左之助兄ちゃんと永倉さんとは結構仲良くなれたとこだったけど。 やっぱ無理なの。 この時代じゃやっていけない。 わたしは平成生まれの現代っ子だから。
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