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「関東の田舎者だの、野蛮だの、寄せ集めの浪人集団だの、身分がどうのこうの、人に悪く言われるのは慣れてる。言わせておけばいい」
「いいえ、許せません!人はみんな平等なんですよ。与えられた使命が違うだけで、それを全うしてるのに、なぜ悪く言われなきゃならないんですか?」
「芹沢先生たちはご迷惑をかけたことも多かったし…その印象が強いのかもね」
「そうかもしれませんけど、志もなくただ尊王攘夷の武士だと名乗ってひどいことをする人もいるのに、志を持って仕事してるみんなに対して失礼です」
「かれんさん、君はなんていい子なんだ…我々のために…」
「近藤さん、泣くなよ!」
「生まれ育ちや身分が違っても、人の価値は平等なんですから!大切な人たちが、あーだこーだ非難されるのを黙って見てるわけにはいきません!」
「そなたの言う通り!」
聞き慣れない男性の声がして、声の主のほうへ勢いよく振り向く。
はっとした。
見覚えのある顔。
会津人ならば誰もが知る顔。
今ここに誰が現れたのか…
情報の糸と糸が繋がった。
あれほどの怒りも忘れて目を丸くし、あんぐりと口を開け固まった。
空気がガラリと変わる。
驚いて、戸惑いつつも全員の表情が引き締まった。
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