9.心に灯りをともす

1/22
前へ
/868ページ
次へ

9.心に灯りをともす

「そなたが會津から来たという娘か?」 まっ、松平容保(かたもり)?! 「これは!殿…!いかがなさいましたか?」 「その御召し物は…!」 「変装だ」 「変装…でございますか」 「今日は大棚の若旦那である!なかなか似合っておるであろう?」 「はぁ…」 何でここに?! 普通、お殿様はこういうとこに来ないんじゃないの? 例外なく局長も驚き、全員が地面に正座して頭を下げる。 慌てて、見よう見まねで手をつき頭を下げた。 「来る衆ない。皆、面を上げよ」 わぁ…! リアル時代劇だ。 みんなが顔を上げたのを確認して同様に。 こういう場合は大人しくしてるのがいちばんよね。 「殿…お寒い中、このような場所へおいでになるとは、いかがなさいましたか?」 「理由があってな」 「理由とは一体?」 「近藤、そなたの言う“面白い會津の娘”に会ってみたかったのだ」 「左様でございますか!是非に」    
/868ページ

最初のコメントを投稿しよう!

370人が本棚に入れています
本棚に追加