9.心に灯りをともす

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「わざわざ足をお運びいただき、有難き幸せにございます」 「我々新選組一同、日頃よりのお心遣いに感謝申し上げます」 局長に続いて、ふたりの副長がご挨拶すると、会津藩のお偉いさんであろう人が一言加えた。 「今日はお忍びであるから、くれぐれも内密にな」 「承知致しました」 お忍びだって! そんなこと、本当にあるの。 「早速であるが。そなた、名は何と申す」 こんな大河ドラマのようなワンシーン。 じっと見入ってしまって、自分に向けられた言葉とは夢にも思わなかった。 「かれんさん」 へっ? わたし?! 「申し訳ございません。ひどく動揺しているようでございます」 「そうか。構わぬ」 これは夢か現か幻か。 やばい…どうしよ… 思わぬ展開に動揺しまくりで、まったく聞いてなかった。 無論、言葉に詰まる。
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