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「わざわざ足をお運びいただき、有難き幸せにございます」
「我々新選組一同、日頃よりのお心遣いに感謝申し上げます」
局長に続いて、ふたりの副長がご挨拶すると、会津藩のお偉いさんであろう人が一言加えた。
「今日はお忍びであるから、くれぐれも内密にな」
「承知致しました」
お忍びだって!
そんなこと、本当にあるの。
「早速であるが。そなた、名は何と申す」
こんな大河ドラマのようなワンシーン。
じっと見入ってしまって、自分に向けられた言葉とは夢にも思わなかった。
「かれんさん」
へっ?
わたし?!
「申し訳ございません。ひどく動揺しているようでございます」
「そうか。構わぬ」
これは夢か現か幻か。
やばい…どうしよ…
思わぬ展開に動揺しまくりで、まったく聞いてなかった。
無論、言葉に詰まる。
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