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たった数十分しか経っていないはずなのに、この疲労感は何だろう。
さすがに、人が斬られてあんな大量の血…なんて見たら気が滅入っちゃう。
あ、でもこれは夢だもの。
悪夢だ…
こんな怖い夢もう嫌。
お願いだから早く目覚めて!
夢から覚めて、「やっぱり夢だった」と言って、ほっとしたい。
全く休んだ気がしないし、間違いなく寝不足だ。
「安心しろ。怪我人や病人をとって食うようなことはしねぇよ」
信じていいの…?
ああ、なんだか意識が遠のいていく…
こんな場面に遭遇したら、夢でも失神しちゃう。
「おいっ!」
「………」
腕がストンと落ちる。
侍に抱えられたまま、気を失ってしまった。
夢かと思った。
夢ならよかった。
どうか夢でありますように、と何度も願った。
まさかこの時、自分の身にとんでもないことが起きているなんて…
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