9.心に灯りをともす

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「そなたは立派であるな。會津藩主として鼻が高いぞ」 「いえ、とんでもございません!もったいないお言葉でございます…」 「誠のことじゃ。否定するでない」 「はぁ…」 「身分は違くとも、予は志同じくする近藤たちを信頼しておる」 「身に余るお言葉にございます。精進致します」 「しかし、そのようにはっきりとした物腰、気が晴れる。さすがは會津の女子(おなご)じゃ」 「確かにそのとおりでございますな」 昔から気が強いみたいね、会津の女性は。 「ああ、そうであった!変わった楽器が弾けると申したな」 「左様でございます。西洋のピアノなる楽器にございます」 「そのピアノとやら聞かせてくれぬか」 はぁ?! 「殿の直々のお言葉。是非に」 この状況でピアノを弾けと? いやいや、何を仰いますやら… あまりに衝撃的で青ざめる。 「島田君、ここへピアノを運んでくれるか」 「かしこまりました」
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