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「近藤さんには?」
「いや、まだ」
「あっ!」
「今度は何だ…」
「もしかして茶道?日舞?歌舞伎役者?伝統芸能的な?!」
くるりと背中を向け、わたしと距離を置いて耳打ちする。
「…こいつ、大丈夫か?」
「ぼーっとして意味不明なことを口走る…。医者を呼んだほうがいいのでは?」
「そうだな。斬り合いの場に居合わせたから、精神的にやられちまったかもしれん」
何を話してるのかは聞こえなかったけど、意見が一致したんだろう。
顔を見合わせ、うん、と同時に頷いた。
「足も挫いているし、医者を呼ぼう」
「あの、今、保険証持ってないんですけど…」
「は?」
混乱している割に、意外と現実的な言葉が出た。
「さっきから意味の分かんねぇことばっかり!何が言いてぇんだ!」
「まぁまぁ土方君、落ち着いて」
そんな…
それじゃあ、わたしの頭がおかしいみたいじゃない。
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