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「何か撮影ですか?『新選組』とか、幕末モノの」
「シンセングミ、バクマツ…はて?」
怪訝な顔のまま。
何で?
さっきの水色の羽織は新選組のものでしょ?
よく見る、あの独特の。
「すみません、話が見えないのですが…」
「ここはどこですか?」
「壬生浪士組の屯所です」
「み、壬生…浪士組…?」
頭が混乱する。
この人たちは何者?!
またも眉間にシワが寄る。
「ここ、京都ですか?!」
とっさに聞いたけど、何を言うのだとばかりに首を傾げる。
「はい、ここは京の都のはずれ、壬生村ですが…」
壬生村ってドコ?
その呼び方の違いに不安が膨れ上がる。
壬生寺とか壬生狂言とかの壬生?
“壬生村”ってどういうこと?
壬生寺があるのは京都市内だし。
しかも“京”っていつの時代の呼び方してるわけ?
どこまでが夢で、どこからが現実か分からない。
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