2.我が上の星は見えぬ

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「今、何年でしたっけ?平成何年ですか?!2千何年ですか?!」 「ヘイセイ?二千?可笑しなことを聞くね」 笑って悲劇的な年号を口にした。 「文久三年だよ」 「ぶ、ぶ、ぶんきゅう…?」 まさか…そんなこと… へなへなと全身の力が抜けていく。 ぼんやりと思っていたことが確信に変わった瞬間だった… “ぶんきゅう”って何?! この人たちがホンモノの新選組だとしたら、ここは江戸時代で、しかも幕末ってこと? さっきのは殺陣じゃなくて、ホンモノの斬り合いだっていうの…?! そんな…映画やマンガじゃあるまいし! それとも童話の魔法使い?! 神隠し?! 今、21世紀だよ?! 科学が進化し続けてる時代に、こんなことってありえんの?! わたし、タイムスリップ…しちゃったのかな? どうしよう… 何で…?! ありえない!! わたしがいた21世紀の京都で、あのとき一体何が起こったの?
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