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「先ほど壬生浪士組と仰いましたが…」
「申し遅れてすまないね。壬生浪士組副長助勤、山南敬助と申します」
それって新選組の前身の名前?
歴史は詳しくないけど、察しはいいほうだと思う。
だって、あの羽織は新選組だという証明のようなもの。
てことはやっぱりさっきの人は…
土方歳三?!
嫌だ!やめてよね!
着物だから怪しまれずに済んだ。
幸い髪も染めてないし。
仮に洋服だったら、髪が茶色かったら…どう見られてたか。
せめてもの救いね。
それより、なぜこんな展開になったのかと頭を抱えて困惑しまくっていると、用事を済ませた土方歳三らしき人が戻ってきた。
「山南さん、すまんな」
「彼女と話をしていたよ」
「落ち着いたか?」
「こちら秋月かれんさん」
「かれん?変わってるな」
「君は京の生まれではないね。どちらの藩の出だい?」
“藩”って何て古めかしい。
都道府県は通じないのね。
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