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良くなーい!
わたしのこと知ってる人なんているわけないじゃん!
我が秋月家のご先祖様が何者かも分かんないし…
運良く武家の家柄で京都に来ていたとしても…それはそれで不都合があるんだから。
うちの子でも親戚の子でもないとなれば、戸籍でも調べ上げられて不審者扱いされたりして。
牢獄行き?!
そんなことになったら、どうしてくれんのよっ!
「げ…しまった、泣きやがった」
「あわわわ…泣かないでっ。ひとまず落ち着こうではないか…!弱ったな…」
言葉を選び慎重に答えていたけれど、感情が高ぶり、耐えきれず涙がボロボロ流れた。
「涙がっ…勝手に…出てくる…」
「はぁ…。ほら、涙を拭いてあげよう。息を吸って、吐いて。深呼吸だ」
さすがは侍紳士…
ジェントルマンだわ。
「大丈夫だから。泣かないで。教えてくれないか?何か事情がありそうだね。行くあては?」
山南…さんの問いに、首を大きく左右に振る。
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