3.月あかりは今宵しも

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「それから、役に立つかは分かりませんが、生け花と書道と音楽なら心得が…」 「そうは言ってもね…知ってのとおり、ここは壬生浪士組の屯所だ。男だらけで生活している場所なんだよ」 「それは…承知の上です」 「普段は笑ってる奴も何かあればためらわず人を斬り、血で汚れて帰るんだぞ?」 さっき見た衝撃の光景。 それが、この時代模様のようだ。 「町には俺達のことをよく思っていない奴等もいる。人を斬って恐れられてる男たちだぜ。さっき見ただろ」 「見ましたけど…」 「腰抜かして気失った奴がここに住めると思うか?」 「土方君、落ち着いて…」 「いーや!ましてやお前は女だ。いつ誰に襲われたっておかしくねぇ。そんなとこにいて耐えられるかよ」 「…耐えます!お願いです。どうかここに置いてください」 「駄目だ」 きっぱりと冷たく言い放つ。 この人の言うことも理解できる。 耐えられるか耐えられないかなんて、そんなの分かんない。 自信はない。   
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