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あ、そういえば!
ひとつ分かったことが。
あのお揃いの羽織の色。
水色じゃなくて“浅葱色”って言うんだって。
浅葱色は武士が切腹するときの裃の色で。
偶然なのか何なのか、ここ壬生村は壬生菜の他に藍の産地で、その壬生の藍で染めた水色は『壬生の色』なのだそうだ。
袖の白いギザギザは“ダンダラ模様”と言うらしい。
何でも、近藤局長が好きな忠臣蔵の赤穂浪士の揃いの羽織をモデルにしたんだとか。
真っ赤な隊旗には、ダンダラ模様と大きく“誠”の一文字。
赤は嘘偽りのない真心、誠は幕府や会津への忠誠心の意味があるんだって。
そんなの正直どうでもいい情報。
しかもあの羽織、芹沢先生が裕福な商家からカツアゲしたお金で作ったみたいだし。
あ~!やだやだ!
桶に張られた汚れた水に映る顔が、ため息を漏らす。
部屋の片隅に置いた箒と叩きを眺め肩を落とした。
うぅ…掃除機…
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