5.一寸先は紅のくちづけ

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さっきのキスのせいね。 変に意識しちゃうじゃない。 よりによって唇に… 一気に体温が上昇。 思い出して紅潮した顔を手で扇ぐ。 本人が目の前にいるもんだから全然冷めない。 からかわれただけなんだから、動揺することないのよ。 それにしても、江戸時代にキスがあったとは驚き。 昭和の戦後とか、もっと近代的なものかと思ってた。 「あの…土方さん、さっきは殴ってごめんなさい」 駆け寄り背伸びして、耳元で小さな声で伝えた。 それを見た沖田さんが、すかさず攻撃開始。 彼のイタズラ心に火がついたんだ。 「何、何です?」 「何でもねぇよ!」 「ねぇ、かれんちゃん、何て言ったの?」 「ちょっと…ははっ」 「クククッ…さっきの歳の顔といったら…」 「近藤さんっ!」
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